ある政令指定都市でWeb調査を2年毎に実施している。今回の23年と比較は21年なので、思いのほか長引いたコロナ禍での生活者意識への影響が注目される。この2年間は、すっかり諦観の念が生活観にも影を落としたようで、全体に変化というより停滞感が見て取れる。
概ね、生活範囲が狭くなったのであろう、自分と距離の近いところでの価値観、自分の(仕事以外の)時間、家族との時間、子育てに関わることを重視する傾向が強まっている。とりわけ、自分が心地良ければ周りは気にならない、ということで、ファッションへの関心は軒並み減少している。食に関してはそろそろ外食への意識が少し高まりつつあるようだ。その情報源は、もちろんSNSへのシフトが加速。が、注目したいのは、意外に口コミも増えたということ。が、これも親しい間のSNSを通してであろう。
家で家族がそれぞれスマホを見ながら、「ここいってみたいね」「誰々ちゃんもいいって」なんて会話してる光景が目に浮かぶ。。。検索して、予約して、マップに落として、と行動が成立する。動けば、何かしらSNSで発信したくなる、少なくとも親しい間柄の仲間内では自分も情報の発信源でありたいと思う。そうして情報の連鎖が起こり、決まったところに人が集まる。それを見て、実は皆なんとなく若干安堵の気持ちを得ているように思う。やっぱり、リアルに人にまみえることは、必要なのだ。なんだかんだ言っても、人は人との「つながり」を求めてると思う。
その「つながり」の延長線上に、次回の調査では活発な変化が見られることを期待したい。