オープンモールのジアウトレット湘南平塚。空が広がる、風を感じる心地よさ。
どこも同じような閉鎖的なインドアモール環境に慣れ親しんだ人々には新鮮であろう、外気を感じる緑豊かな環境。もちろん、天候に左右されると思うが、この日のような晴天の清々しい日には、訪れた人々の満足感はさぞかし高いだろう。
なんて思いながら、巡っていると、ハタと外の世界が目に入った。
モールの外側の世界。駐車場の向こうには巨大な物流倉庫群が並び立つ光景。さらにまだまだ、広大な敷地に取り囲むように建築中だ。
あの倉庫群の中には膨大なモノがあるはず。モールにある店とほとんど同じようなモノもあの倉庫の中にもあり、スマホでポチれば家に届けられるに違いない。ここのモールでモノを買うのも現実で、目の前の倉庫からモノが来るのも現実、どちらも現実。いや、もしかして、実はこの囲われた緑豊かな世界がバーチャルなのでは?
中は緑でも外はグレー。地続きが見えない、切り取られた風景。周辺と隔絶された世界。
まるで、古代ヨーロッパや中国にみられる「城郭都市」のよう。元々は外からの襲撃から守るために城壁で囲った、平穏が約束された都市空間。ここにいれば安心安全でとても快適だと思う。なんともいえない多幸感すら感じる、気がする。やはり、ここがメタバース?
何やら白昼夢のような不思議な感覚に囚われた。陽気のせいだと思いたい。。。
が、現実問題。昔の城郭都市は技術の進歩で飛ぶものができ、城郭では守りきれず、用をなさなくなった。今はすでに空中戦である。
デジタルの力で仮想空間の精度が上がるにつれ、それを模倣したのが現実空間ということになるかもしれない。これから先、仮想空間を訪れることが日常的になれば、そういう認知が広がるかもしれない。すでにCGで描かれた完成予想図と出来上がった実物写真との差異のなさに見誤る今日この頃。リアルにしかない快適さ、というのも実は人の経験値に相対するもの、仮想の経験値の方が上がれば、リアルでの優位性は絶対ではなくなるのか。。。
現実の施設開発について、仮想空間との比較はまだ先かもしれないが、少なくともすでにほとんどの人が何らかネット検索した上で足を運んでいると思う。そのことを前提にした対応が求められる。すでに予行演習は始まっている。