直近、生活者意識調査(WEBアンケート)を実施した。エリアを限ってのことなので、全体像の把握には乏しいが、とても興味深い結果となった。
端的にいうと、「一人で」活動する人々の存在が浮き彫りになったのだ。何も、若い独身だけではない、若くない中年以上の独身も、子供がいない夫婦も、さらに、子供のいる家族でも、皆、それぞれの「自分の時間」を大切にしている、ということだと思う。少し前、特にコロナ前までは、ここまで顕著に表れてなかった傾向である。それまでも、「一人で」層は、ある程度いたが、どちらかというと過分所得が少なく、消費行動に非積極的なオタ引きこもり系。あるいは、おひとり様ですがそれがなにか?という開き直り系。いづれも、少々ネガテイブな捉え方でカテゴライズされていたかと思う。が、ここで浮かび上がってきた「一人で」層は過分所得もあり、頻繁に出かけていて、消費にも積極的なのだ。
この結果を受けて、少しググってみると、電通も博報堂も揃って23年に似た調査結果を出していた。曰く、「一人で行動する方が多い」76.9%(ウェブ電通)、「一人でいる方が好き」56.3%(生活総研博報堂)。おおよそ、過半数以上が「一人で」志向と言っても過言では無いと思う。
こうなると、俄然無視できない「一人で」。そこに新たなマーケットが広がっているのか。いや、すでに既存のマーケットを支えてるのも彼らなのか。いづれにせよ、提供側が認識してこなかったゆえに、見過ごしてミスマッチをしてる業界も多いと思う。特に郊外のショッピングセンターは、この20数年かけて、ファミリーが一緒に動く前提で、考えてきた。が、今やファミリーは「一人で」の集合体に過ぎないのかも知れない。必要な時だけ時間を調整して過ごす程度なのかも知れない。実際、40代前半の夫婦子供ありのスタッフ曰く、土日のどちらかはそれぞれ自分の自由な時間を確保している、という。
そう考えると、同じものでも、随分と提供の仕方が変わるのでは無いだろうか。自ずと情報の出し方も変わる。「一人で」を意識するだけで、いろんなことが、違って見えてくると思う。