生活者動向調査は、WEBでのアンケート調査から、属性やライフステージでどういう傾向があるのか、ライフスタイルや価値観を分析する。そして、いくつかの特徴あるクラスターを抽出する。人々の指向を顕在化するためにある程度、塊として捉え、その特徴からイメージしやすいようにネーミングして見ていく。
例えば、高感度トレンドワーカー、子育て重視共働きファミリー、倹約堅実ママ、マイウエイ中高年、、、などなど。
最近の傾向について、コロナ禍を経て、暮らし方、価値観、生き方と顕著な変化が見られた。
コロナ禍真っ只中の21年は、ファミリーに該当するクラスターがほぼ60%を締めていた。共働きが当たり前になってきてる傾向に加えて、コロナでステイホームを余儀なくされ、お父さんも家庭生活にリアルに参加するようになった。そうすると、家庭生活に目覚めた男性諸氏も生活用品の消費ターゲットとして見過ごせなくなる、という変化があった。
ところが、コロナも過ぎて、24年になると、ファミリー層を抑えて、全体の約30%をしめる最大クラスターが「ソロ活」ワーカーとなった。晩婚化、未婚化による生涯独身層の増加、子育て卒業世代を含めて、多様なシングルで活動する人々=「ソロ活」の存在が際立ってきた。これは、長年、マーケットを見てきた者としては、そこそこ衝撃的なエポックメーキングな事象である。
さらに直近では、今まではある一定量、25%〜30%くらいいた中間ファミリーのフォロワー層が見出されなくなった。代わりに、自分を基準とした「ソロ活」から派生したクラスターが増えてくる傾向が見え始めた。
ファミリーからソロへ、と時代は移行している。すでに人口減社会に入ってる今の日本の根源を見るようだが、この現実をどう受け止めて、それでも未来の社会をどう築いていくのか、が今まさに試されている。