生活者動向調査の最近のいくつかのデータを俯瞰してみると、おおよそ、このようなクラスターが見出せると思う。
まずは、共働き子育てファミリーだが、それも約25−30%で、最大クラスターというにはボリュームに欠ける。子育て真っ只中で、とにかく忙しいので、タイパ重視、消費行動はEC利用率が高い傾向にある。
次に、多様なシングルのソロ活族で、25−30%と共働き子育てファミリーと同程度のボリュームで、双璧となっている。シングルと言っても、50代の生涯未婚者も多く、過分所得が高い。消費行動としては、意外に食への関心も高い。
その次にボリューム的に多いのは、やはり子育て卒業組だろう。バブル世代でもあり、消費意欲も高く、自由になる時間も多い。が、総じて情報感度には疎く、身近な情報や、趣味などの興味のある情報に限定される傾向がある。
そして、特に都市部でのボリュームが増してきてるのが、いわゆるパワーカップル+子供一人くらいのパワーファミリーである。よく二極化と言われる高い側の存在で、ダブルインカムで高所得、世帯年収1500万以上。だが、日々の消費行動は、共働き子育てファミリーとさして変わらず、貯蓄投資志向である。子供の教育投資だけでなく、自分への研鑽投資にも積極的である。
ボリュームとしては脆弱だが、次の時代を担う若年層、Z世代。ほぼ、生まれた時からパソコンがあり、ゲームで育ったデジタルネイティブ。さらに、物心ついた時にはすでにスマホがあり、ネットネイティブ。故に、ずっと情報過多な環境で生きており「情報選別が生きること」と言える。あえての情報デトックス志向が高く、昨今のサウナブームもその片鱗か。。。
このように図式的に配置してみると、左上がファミリー系、右から下がソロ系と大別され、おおよそ、半数以上がソロ系となる傾向が見て取れる。各クラスターもそんなにボリュームに差がなく、一億層中流と言われた昭和時代のような顕著なボリューム層は見出せない。
ライスステージに沿って、多極化している様が昨今の世間の縮図だろうか。